
京都・呉服問屋の長女として生まれる
幼少期、感性豊かに成長して欲しいという両親の願いもあり興味を持ったあらゆる事を学ぶ。
小学生時代から数々の絵画コンクールに入賞。
初入選は、小学2年生のときの「市長賞/宇治茶・製茶工場」茶の絵。
京都市立銅駝美術工芸高等学校染織科(日本最初の画学校)で染と織を学び、大学は日本画科へ。
卒業後は、企業デザイナーを経て、大手広告代理店・テレビ局勤務。
同時に文化的知識を深めるため、裏千家茶道免状、嵯峨御流免状、紅茶講師資格などを取得。
Tea coordinatorディプロマ取得 英国「TEA&MANNER CERTIFICATE OF COMPLETION」取得 裏千家茶道許状取得 嵯峨御流免状取得 SDGs for School 認定エデュケーター 京都医学史研究会・日医生涯教育受講 第56回日本リハビリテーション医学学会参加 日本カテキン学会会員 日本ポリフェノール学会会員 鉄ミネラルアドバイザー |
2007
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英国紅茶文化を学ぶため 渡英
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2008.1
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京都市上京区の町家にて
京都らしい紅茶教室ティージョルノ. 開校 |
2012~
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世界の紅茶原産国を廻り視察研究
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2016.10
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京都市中京区 祇園祭の鉾町に移転
TEA GIORNO KYOTO. 設立・事業拡大 |
2025.1
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紅茶教室18年めを迎える
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はじまり
私とおぶの出逢い
茶人だった祖母が淹れてくれるおぶが美味しくて、美味しくて。
淹れ方を教わりますが、味わいがどこか違う。
そこから探求心が芽生え、いつも質問攻めでした。
そんなある日、「日本茶と紅茶は、同じ木からなってんの、知ってますか?」とおぶと紅茶が大好きだった私に祖母が教えてくれました。
祖母と過ごすおぶの時間は、家族やみんなが笑顔と幸せに包まれるひとときでした。そして美味しいおぶは、特別な道具を使わずして淹れることができる。当時の私には、魔法のような飲み物でした。私の茶の道は、幼少期より始めた裏千家茶道。今もずっと変わらず、心の中には、日本の茶道が息づいています。いつしか、そんな体験を生かして、自分らしい茶の教室(=京都らしい紅茶教室)を作りたいと思うようになりました。
開校への想い
本校を開校するにあたり、イギリスをはじめとする紅茶原産国や紅茶文化の根付く国々を訪ね、紅茶がつないでくれた人たちとの出会いの中から、茶葉の美しさと本来持つ香味の素晴らしさ、人々の深い思いに感銘を受けました。
そんな中、紅茶から広がる世界観や心豊かに過ごす時間を提案したいと思い本校を開校。私の軸には、茶道・裏千家があり、お家元が軒を連ねるお茶人の町・京都市上京区で紅茶教室をはじめることが夢でした。
家業を継ぐつもりで進んできた芸術の道から、茶の道へ。もっと深く紅茶について学ぶため、渡英。帰国後に、紅茶の資格であるディプロマを手に両親に意思を伝えました。
「えっ、京都で日本茶ちごて、紅茶どすか?」と母は心配のあまり倒れそうになりながら部屋を後にしました。両親の気持ちは、痛いほどわかっていましたが、紅茶教室への想いは、そこで終わらせることができませんでした。母の心配をよそに、父は「人生一度、自分のやりたいことを一生懸命やればよい。やっと見つけましたか。いつそんな話をしてくれるかと思っていた。」と話してくれました。
そして開校当日の朝、父は、玄関先で私を呼び止め、「ちょっと頭を下げてみなさい」と言うのです。頭の上で、カチンカチンと火打ち石の音が!下を向いた私の眼には、涙が溢れ出て止まりませんでした。初日を終えて帰宅した机の上には、応援の言葉を添えた母からの手紙がありました。
多くの学びと経験の機会を与えてくれたこと、自分の決めた道へ送りだしてくれたこと、両親への感謝の気持ちは、今も心の奥深くにあります。そしていつもずっと応援して頂いている皆さまへ感謝の気持ちを忘れず、精進したいと思います。
2025年 18年めを迎えて
祖母から受け継いだ、茶の時間。
祖母の手
祇園祭の鉾町にある京都らしい紅茶教室「ティージョルノ」。
世界各地の茶園を訪ね、土や風の香りを思い出しながら、一杯の紅茶に込められた物語や文化を、丁寧にお伝えしています。そこには、時を重ねた紅茶の“本質”が、静かに息づいています。流行や華やかさではなく、長い時間をかけて育まれてきた紅茶の、本当の良さを感じていただけたらと思っています。
それは、私の原点とも言える、二人の祖母の姿にあります。
ひとりは、かつて何よりも大好きだった“お茶”を断ち、家族の幸せを静かに願い続けた祖母。もうひとりの祖母は、どんな時も茶人として茶葉を丁寧に扱い、心を込めてお茶を淹れ、客人をもてなしていた人。二人の祖母の背中に、私は今も深くつながっていると感じています。
祖母が天国へ旅立つ前の日、私は迷わず、祖母の枕元に茶道具を置きました。「おばあちゃま、もういいよね。やっと一服差し上げられる。大好きなお茶、ゆっくり召し上がってね」そう声をかけながら、そっとお茶碗を置いたあの瞬間は、今も胸に深く残っています。茶を点てる私を不思議そうに、傍で見ていた幼稚園児の従兄弟のお子たちに、「飲んでみる?」と言うと、二人とも返事は「うん」でした。小さな両手には大きすぎるお薄茶碗。苦かったはずのお薄を何も言わず、ただ静かに茶をいただくその姿に、子どもたちなりに、何かを感じ取っていたのかもしれません。
小学校に上がり、この出来事がきっかけで茶道クラブに入ったと聞いたとき、あの時間が、小さな心の中にしっかり刻まれていたのだと、胸が熱くなりました。こうして、茶の湯とは、心から心へ、自然と紡がれていくのだと、深く感じた瞬間でした。
振り返ると、晴れやかな日も、心がざわつく日も、一服のお茶を点ててきました。皆がそれどころではない最中ですら。思えば、そんな時こそ茶を点てていました。お茶がもたらす静かな力に、何度も助けられてきたように思います。祖母をはじめ、両親や家族、親戚、私、皆それぞれの暮らしの中でお茶を大切に思い、お茶が大好きな人たちばかりだなぁと、改めてしみじみ思います。紅茶は、ただ飲むためのものではなく、心を整え、暮らしを育て、人生を豊かにしてくれるもの。
茶は、唯一『文化』を持つ飲み物だと言われています。茶とともに過ごす日々の中で、静かに季節を感じる。感性や美意識は、自然に育まれていくのだと、実感しています。
私は、ティージョルノを通して、紅茶の奥深さを伝えながら、みなさまの毎日に、そっと寄り添う時間をお届けできたらと思います。そのひとときが、皆さんの暮らしを少しやさしく、少し深くしてくれたならそれ以上に嬉しいことはありません。
一杯のお茶に流れる、その想い。そのあたたかさを、ぜひティージョルノでご一緒できたら嬉しいです。
今とこれから
様々な経験や学びを経て、最後に選んだ仕事は紅茶(茶)の道でした。
開業してから試行錯誤を繰り返し、2025年18年めを迎え、これまで積み重ねてきた経験値が、益々唯一無二の紅茶教室へと歩みを進め、未来を創造し、私たちが進むべき方向へ導かれているように感じております。
趣味を仕事にし、やりたい事を思うまま全力で挑戦した過去から、今、私たちティージョルノがなすべき役割がはっきりと見えてきました。そして信頼できる仲間たちと巡り会えた幸せに感謝いたします。
~日本人の心を大切に~
さまざまな文化の架け橋となるべく設立したティージョルノ京都。
京都新聞ことしるべ「ティージョルノ・紅茶の時間コラム vol.1」にて掲載
<メディア掲載>
●NHKニュース総合・全国放送「おはよう日本」
●京都新聞 京都市社会福祉協議会 認知症介護家族交流会“紅茶講座”
●京都新聞 ターナー展 風景の詩・開催記念連載「紅茶の時間コラム」全10回
●産経新聞 朝刊 京都しみじみ・京都人の心で楽しむ英国式紅茶
●日本きものシステム協同組合 エール通信 ON ONE’S WAY 夢をカタチに「着物美人」
●あまから手帖6月号
●英国専門誌RSVP 「日本で学ぶ&楽しむイギリス」20号 21号
●女性ファッション誌Oggi
ほか
<テーブルコーディネート&インスタグラムフォト>
●うめだ阪急百貨店
サロンマダムたちが紹介するテーブルクリエーション2015
●第6回世界お茶まつり2016 in 静岡
「茶を彩る空間・テーブルコーディネートコンテスト」入選 展示
●第7回世界お茶まつり2019 in 静岡
「インスタグラムフォトコンテスト・つなごうお茶」入選 展示
<講演ほか>
これまでの主な外部講演 他